今回は、ヘルパーを取外した時のスプリングの長さについてです。 ネジ式車高調ダンパーに装着されている、ヘルパーを取外してメインスプリングだけにする場合、同じ車高をキープするなら、メインスプリングに遊びが発生します。 この遊び量は、ヘルパーをダンパーに組んだ状態で、ジャッキアップ状態 → 1G状態 でヘルパーがストロークする量と同じになります。 それでは、説明していきましょう。 下図のようなネジ式車高調ダンパーがあったとします。 (ヘルパースプリング付き、メインスプリングは7インチ) 例えば、ヘルパーの長さ a が、50mm、ロアシートから上方でネジが切ってある b が20mmとすると、ヘルパーを取外した状態では、同じ7インチのスプリングでは、ダンパーに切ってあるネジ山が足りず、ゼロプリにはセットができなくなります(下図参照)。 また、ヘルパースプリングを取り外した後も同じ車高にしたい場合は、ヘルパースプリングのストロークする量を30mmと仮定すると、スプリングの遊びが30mmのところにロアシートをセットすることになりますので、ダンパーに切ってあるネジの最上部にロアシートが固定されることになります(下図参照)。 こうなると、車高を上げようとしても、調整ができませんので、もっと長いメインスプリングが必要となります。 要するに、車高により、スプリングシートの固定位置が決まり、その位置からどれくらい上下にダンパーのネジが切ってあるかによって、使用できるスプリングの長さが決まるということになります。 全長調整式のダンパーの場合は、単純にダンパーに切ってあるスプリングシート調整用のネジがある範囲で、スプリングの長さを決定できます。 ただ、全長調整機能で、ダンパーが短くなる分より、ヘルパーのストローク量が多い場合は、ヘルパーを取外し、ゼロプリで組むと、車高は上がってしまいます。 この時、車高を優先させると、全長調整機能付きであっても、スプリングに遊びは発生してしまいます。 かなり複雑ですが理解できましたか? 大切なことは、コイルオーバー形式(ダンパーとスプリングが一体のもの)では、車高は、スプリングの長さで決まるのではなく、1G状態でのダンパーの長さで決まるということです。 次は、スイフトやZ33などのリアに使用されている、セパレートタイプ(ダンパーとスプリングが別体のもの)のお話です。