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LAP.18 スプリングの長さによる車高変化 C (ヘルパーを取外す時のスプリングの長さ)

今回は、ヘルパーを取外した時のスプリングの長さについてです。


ネジ式車高調ダンパーに装着されている、ヘルパーを取外してメインスプリングだけにする場合、同じ車高をキープするなら、メインスプリングに遊びが発生します。


この遊び量は、ヘルパーをダンパーに組んだ状態で、ジャッキアップ状態 → 1G状態 でヘルパーがストロークする量と同じになります。





それでは、説明していきましょう。
下図のようなネジ式車高調ダンパーがあったとします。
(ヘルパースプリング付き、メインスプリングは7インチ)








例えば、ヘルパーの長さ a が、50mm、ロアシートから上方でネジが切ってある b が20mmとすると、ヘルパーを取外した状態では、同じ7インチのスプリングでは、ダンパーに切ってあるネジ山が足りず、ゼロプリにはセットができなくなります(下図参照)。










また、ヘルパースプリングを取り外した後も同じ車高にしたい場合は、ヘルパースプリングのストロークする量を30mmと仮定すると、スプリングの遊びが30mmのところにロアシートをセットすることになりますので、ダンパーに切ってあるネジの最上部にロアシートが固定されることになります(下図参照)。






こうなると、車高を上げようとしても、調整ができませんので、もっと長いメインスプリングが必要となります。


要するに、車高により、スプリングシートの固定位置が決まり、その位置からどれくらい上下にダンパーのネジが切ってあるかによって、使用できるスプリングの長さが決まるということになります。


全長調整式のダンパーの場合は、単純にダンパーに切ってあるスプリングシート調整用のネジがある範囲で、スプリングの長さを決定できます。


ただ、全長調整機能で、ダンパーが短くなる分より、ヘルパーのストローク量が多い場合は、ヘルパーを取外し、ゼロプリで組むと、車高は上がってしまいます。
この時、車高を優先させると、全長調整機能付きであっても、スプリングに遊びは発生してしまいます。


かなり複雑ですが理解できましたか?


大切なことは、コイルオーバー形式(ダンパーとスプリングが一体のもの)では、車高は、スプリングの長さで決まるのではなく、1G状態でのダンパーの長さで決まるということです。



次は、スイフトやZ33などのリアに使用されている、セパレートタイプ(ダンパーとスプリングが別体のもの)のお話です。

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