今回は、Z33や、コンパクトカーのリアに採用されている、 ダンパーとスプリングが別体式(セパレートタイプ)になっている場合について説明します。 このタイプは、ストラット式等のコイルオーバータイプと違い、スプリングの長さが、直接車高に影響します。 では、下の図を見てください。 これは、スイフトスポーツのリアサスペンションをイラスト化したものです。 車高が決まる要因は、1G荷重状態での、スプリングの長さ(A)です。 この長さが長くなれば、車高が上がり、短くなれば車高が下がります。 よって、同じレートでも、スプリングの自由長が長いと、車高は上がります。 また、同じ自由長のスプリングの場合、レートが高くなると1G状態での縮み量が少なくなることから、 車高は上がります。 では、次の図を見てください。 これは、図1の状態から、ジャッキアップし、0Gにした状態です。 車高を下げるために、短い自由長のスプリングを装着した場合、図2のようにスプリングに遊びが発生し、最悪スプリングが脱落してしまう可能性があります。 コイルオ−バー式だと、仮にスプリングに遊びが発生しても、スプリングが脱落することはありませんが、セパレートタイプの場合は、絶対この状態で走行することはできません。 このように、車高を下げるために短い自由長のスプリングを装着する場合、0G状態でのダンパーの長さ(C)がとても重要となります。なぜなら、全長調整式ダンパーなら、発生したスプリングの遊びに対して、ダンパーを短く設定し、遊びをなくすことが可能となるからです(下図参照)。 全長調整式のダンパーを使用し、図2の(C)の長さを、図3の(D)の長さに変更すれば、スプリングは遊ばないようになります。 また、図3のようにダンパーの長さを短くすると、リバウンドストローク量が少なくなってしまいます。リバウンドストローク量とは、1G状態 → 0G状態にしたときの、ダンパーが伸びる長さのことです。 そう、ジャッキアップしたとき、タイヤがどこまで垂れ下がるかも、ダンパーの長さで決まってくるということです。 では、次回はこのセパレートタイプに、車高調整機能付きブラケットと、全長調整機能付きダンパーが装着されている場合と、リバウンドストロークが少なすぎる場合のデメリットについて、説明します。