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LAP.20 スプリングの長さによる車高変化 E (セパレートタイプ A)


今回は、ダンパーとスプリングが別々に装着されているセパレートタイプの第二回目です。


前回お話ししたように、車高は1Gの荷重がかかった時のスプリングの長さで決定します。
また、車高を下げるために、自由長の短いスプリングを入れる場合は、スプリングの脱落を未然に防ぐためにも、スプリングの長さに応じて、ダンパーの長さを調整する必要があるということがポイントです。


では、今回は、セパレートタイプに車高調整機能付きのブラケット + 全長調整機能付きダンパーが装着されている場合の話をします。


まず、下の図1を見てください。





これは、車高調整機能付きのブラケットが装着されており、「A」の方向に調整すると車高が下がり、「B」の方向に調整すると車高は上がります。そして、「A」の方向に調整する場合、少し注意が必要です。


下の図2を見てください。






これは、車高調整機能付きのブラケットを、図1の状態から「A」の方向に調整し、ジャッキアップをして0G状態にしたときの図となります。図のように、ブラケットで車高を下げたことにより、スプリングに遊びが発生しています。


この遊びを取るには、ダンパーの長さを現行より短くなるように調整しなければなりません。
下の図3を見てください。






図2のダンパーの全長を調整し、スプリングの遊びをなくした状態です。要するに、セパレートタイプでは、車高によりダンパーの長さを調整しなければならない状況が発生するということです。


もちろん、全長調整式ではないダンパーも使用できる状況はありますが、装着するスプリングの長さに制限があるということです。もし、上図のダンパーが全長調整式ではないダンパーであれば、必ず図2の「C」以上の自由長のスプリングが必要となります。


以上の理由から、セパレートタイプのサスペンションに使用されているスプリングは、プログレッシブタイプがほとんどです。プログレッシブタイプなら、初期レートがやわらかい分、スプリング自由長が長く設定できますので、車高を低く設定しても、0Gで遊びが発生しにくくなります。


しかし、プログレッシブタイプは、同じ荷重の増減に対して、縮み側と伸び側のストローク量が違うという最大の欠点があります。


では、次回はプログレッシブスプリングのデメリットをお話しします。

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