HYPERCO

LAP.21 スプリングの長さによる車高変化 F (セパレートタイプ B)



今回は、Z33のリアや、コンパクトカーなど、ほとんどのセパレートタイプに採用されている、プログレッシブ スプリングのデメリットのお話です。


まず、プログレッシブ スプリングは、下図のようなレート特性を持っています。





このスプリングは、自由長が300mmで、最初の50mmの平均レートが2kg/mm、次の50mmの平均レートが5kg/mm、そして100mm縮んだ状態から残りのストロークは、平均レートが10kg/mmで推移する、プログレッシブのスプリングです。

たとえば、このクルマのコーナーウエイトが400kg、サスペンションレバー比が1:1だとすると、






計算で、1Gでのスプリングストローク量は105mmとなります。
そして、この1Gの位置から、荷重が200kg増減したと仮定しましょう。


そうすると、荷重が200kg増加した場合の縮み量は20mm、反対に荷重が200kg減少した場合の伸び量は35mmとなります。


もちろん、好き嫌いといったこともあるかと思いますが、ドライバーはクルマの傾きで荷重の移動量を感じる以上、同じ荷重が増減したとき、縮み側と伸び側のストロークが違うと、正しくクルマの荷重移動状態を理解できません。


また、ロール量といった観点から考えると、外輪は荷重が増えて縮み、内輪は荷重が減って伸びますが、このときのストローク量は、荷重が減った内輪の方が大きくなってしまいます。すると、クルマ全体の傾きはかなり大きくなりますので、ドライバーは「不安定なロール」と感じてしまいます。


これが、プログレッシブ スプリングのデメリットです。



私は、プログレッシブ スプリングが好きではありません。
伸び側には、かんたんにストロークしてしまう、あのフラット感のない、フワフワした乗り味。そして、イン側の伸びが大きなコーナリング時の姿勢等、的確に荷重移動を感じられないところが好きになれません。


反対に初期の部分から、一定レートでストロークが推移するスプリングは、伸び側と縮み側のストロークが揃いますので、クルマとの一体感があり、私は大好きです。


そして、あの一体感をみなさんにも味わって欲しくて、HYPERCOをセパレートタイプの車両にも装着できる、車高調整式アタッチメントの発売も開始しました。


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基本的には、全長調整式のダンパーが必要となりますが、クルマとの一体感を求める人には、かなりの自信作です◎。

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