HYPERCO

LAP.6 HYPERCOに変更するときのスプリングレート

他社メーカーのスプリングから、HYPERCOに交換するときは、スプリングレートのチョイスに、ちょっとしたノウハウがあります。

まずHYPERCOの特徴として、「スプリングが縮み始める初期ストローク域で、表記レートまで素早くスプリングレートが立ち上がり、ストローク中のスプリングレートも表記レートどおりで推移する」というメリットがあります。


対して大部分の他社製品は、初期ストローク域でのスプリングレートが表記レートよりやわらかく、スプリングによっては、ストロークの全域で表記レートより低いレートで推移する場合もあるのです。
また、スプリングに"ヘタリ"現象が発生している場合は、確実に表記レートより低いスプリングレートとなっています。


(詳しくは、HYPERCOのメリット 「リニア」なレート特性を見て下さいね)



このように、表記のレートと実際のレートが違う場合や、初期ストローク域での特性の違いにより、他社製品と同レートのHYPERCOをチョイスしても、少し硬く(ストローク量が少なく)感じる場合があります。

しかし、どのメーカーのスプリングから交換するかによって、この実際のレート差は違ってきますので、正確にはコメントできないのですが、「田中式HYPERCOレートチョイスの手引き」として、もし、スプリングレートで迷ったら、下記を参考にしてくださいね。



ポイント@

現在装着されている他社製品と、同レベルの硬さをチョイスしたい場合や、現行スプリングより少しでも硬くなるのがNGの場合。または、最大ストローク近辺だけを、ほんの少しだけやわらかくしたい場合。

現行のスプリングレートより、ワンランク"やわらかめ"のチョイス



ポイントA

現在装着されている他社製品より、ほんの少し硬めのスプリングレートをチョイスし、クルマの動きを少しだけ、小さくしたい場合。または、初期ストローク域でほんの少しなら硬くなっても良い場合。

現行のスプリングレートと"同レート"のチョイス



ポイントB

現在装着されている他社製品より、1〜2段階スプリングレートを硬くしたい場合。

現行のスプリングレートより、ワンランク"硬め"のチョイス




以前に行われた雑誌の取材で、ランサーエボリューションZのスプリングを、他社製品からHYPERCOに交換するテストをしました。

既存のスプリングは4本とも14kgf/mm。
そこで、ほぼ同レートの800ポンド(14.3kgf/mm)のスプリングと交換すると、同じゼロタッチのプリロードで、車高がフロントで5mm、リアで2mmも、交換前から上がってしまいました!!

この事実は、何を物語っているかというと、

1Gになるまでのストロークが違う

 1Gまでのスプリングレートが違う!

ということなのです。
(当然、スプリングレートがほんの少し違いますが、この差を計算しても1mm未満となります)
また、フロントとリアで変化した車高が違うのは、フロントの方がリアより重いので、この差となったわけです。
結構違うでしょう?

こんな場合は、既存のスプリングの14kgf/mmに対して、700ポンド(12.5kgf/mm)のスプリングレートの方が、お勧めかもしれませんね。

トータルで考えると、レートのチョイスに迷ったら、やわらかい方が基本となります。
以上、「田中式HYPERCOレートチョイスの手引き」でした。

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