セッティングの基本、いや王道はやっぱり”車高”です。
フロントの車高を下げるか、リアの車高を上げて、クルマを前傾状態(前かがみ)にすれば、
よく曲がるようになり、やり過ぎればオーバーステアになります。
反対に、フロントの車高を上げるか、リアの車高を下げて、後傾状態(後ろ下がり)にすれば、
アンダーステアが強くなります。
では、今回は車高とスプリングレートの関係をクイズにしたいと思います。
●問題●
ノーマル車高と、ノーマルから10cm車高を下げた状態では、どちらの車高の方が硬く感じますか?
(スプリングレートは同じです)
<正解はコチラ>
今回は、かなり難しいですよ。
車高を変更すると、いろいろなものが変化してきますからね。
キャンバーも変わってくるし、難しい話ではロールセンターも変わってきます。
しかし、一番大きく変わるのは、サスペンションアームの角度です。
下の図を見てください。
これは、ストラット式サスペンションのノーマル車高の時と、そこから車高を下げた時のロアアームの角度の違いを表しています。(※ブッシュA・Bは、ボディーに固定されています。)
上図のように、ノーマル車高ではロアアームの角度はほぼ水平ですが、車高を下げるとロアアームには
角度が付いてしまいます。
アームが水平だと、一輪に掛かる荷重のほぼすべてをスプリングが支えることになりますが、
アームに角度が付くことで、ブッシュAに斜めの力がかかり、ブッシュAも荷重を支え始めます。
また、ブッシュAが荷重を支える量は、角度が付けば付くほど大きくなります。
よって、「車高を下げた方が、スプリングレートが同じでも硬く感じる」が正解です。
以上、今回はちょっと難しい問題でした。