今回は、コースレイアウトにスプリングレートを対応させる場合の考え方です。
よく、サーキットによってスプリングレートを変えるという話を聞きますよね。
では、実際どのような考え方を元に、スプリングレートを決定していくか、このあたりのお話をしましょう。
今回の出題は2問です。
では、問題です。
問題 @
路面の凸凹が大きいバンピーなサーキットと、凸凹の少ないフラットなサーキット。
どちらのサーキットのスプリングレートが硬くなりますか?
<正解はコチラ>
凸凹が大きいバンピーなサーキットのスプリングレートを合わせる時、ポイントとなるのは、いかにクルマをハネさせないかです。(ハネによるデメリット解説はこちら)
ハネる、ハネないについては、スプリングのクォリティが大きな要因ですが、同じスプリングの場合、当然、スプリングレートが硬い方が、ハネやすいという性格を持っています。
よって、"凸凹の少ないフラットなサーキットの方が、スプリングレートが硬くなる"が正解です。
では、次の問題です。
問題 A
ヘアピンコーナーのように、曲がり込んでいるコーナーが多いサーキットと、高速コーナーのように、角度が浅いコーナーが多いサーキットでは、どちらのサーキットのスプリングレートが硬くなりますか?
<正解はコチラ>
コーナーの曲がり込み量に対しては、荷重移動のスピードがポイントになります。
ヘアピンのような、ぐるっと曲がり込んでいるようなコーナーでは、スプリングレートが硬く荷重移動のスピードが速いと、コーナリング中、いったん外側にかかった荷重の一部が、また内側へ戻ってくる場合があります。要するに、外側へ荷重の移動スピードが速い分、内側に戻ってくるスピードも速いと言うことです。
このように、曲がり込んでいるようなコーナーでは、ある程度、荷重移動のスピードがゆっくりしていて、コーナーの頂点に対して、徐々に荷重が外側のタイヤへ移動する方が、断然乗りやすく、メリットも大きいのです。
対して、角度が浅いコーナーで一番重要なことは、レスポンスです。
なぜなら、コーナー手前で曲がる姿勢さえ作れれば、一気にアクセルを踏んで曲がっていけるからです。
だから、荷重の移動スピードが速い、スプリングレートの硬いスプリングは、角度が浅い高速コーナー向きとなるのです。